2013年11月7日木曜日

OTC薬に含まれるエフェドリンでもドーピング違反!!

エフェドリンやその代謝物は、その興奮作用のために、ドーピング規定で一定濃度以上の検出が禁止されています。これらの物質は、ドラッグストアなどで気軽に購入できるかぜ薬や漢方などにも含有されているため、それを知らずにドーピング違反になってしまう”うっかりドーピング”が問題になっています。さて、ドラッグストアで気軽に購入できる薬(OTC薬)を飲むとどれくらいエフェドリンが検出されるのでしょうか?

*エフェドリンの類縁体としてcathin、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリンがあります。
それらのWADA2013, WADA2014での尿中での閾値(この値を超えるとドーピングとされる)は以下のとおり。各自ご確認ください。

エフェドリン、メチルエフェドリン:10 microg/mL
cathine:5 microg/mL
プソイドエフェドリン:150 microg/mL

The relevance of the urinary concentration of ephedrines in anti-doping analysis: determination of pseudoephedrine, cathine, and ephedrine after administration of over-the counter medicaments.
S. Strano-Rossi, D. Leone, X. de la Torre, F. Botre
Ther. Drug Monit. 2009; 31: 520-526.
PMID: 19571776

以下、抄録の要約。

・9人の健常者にエフェドリン含有OTC薬を飲んでもらい、尿中のエフェドリンやエフェドリン関連物質の濃度を測定した。
・その結果、プソイドエフェドリンやcathinの尿中濃度は個人差が大きいことがわかった。この個人差は、体重や性別には依らないものであった。

・プソイドエフェドリンのOTC薬での典型的な投与量は60 mg程度である。
・プソイドエフェドリン60 mg投与により、9人中2人で、尿中に5 microg/mL以上のcathinと100 microg/mL以上のプソイドエフェドリンが検出された。
・プソイドエフェドリン120 mg投与により、7人中4人で、尿中に5 microg/mL以上のcathinが検出された。
・薬物動態学的に平衡状態になるまで120 mgのエフェドリンの投与により、尿中のcachin、プソイドエフェドリンは5 microg/mLおよび100 microg/mLを超えた(ピーク値14.8 microg/mL、275 microg/mL)。
・尿中のエフェドリン関連物質の濃度には非常に幅があるが、尿比重やクレアチニン補正後でもやはり個人差が大きかった。

(感想)

エフェドリン関連物質は、尿中濃度で閾値があるドーピング薬で、興奮作用により禁止されています。エフェドリンやプソイドエフェドリンはOTC薬や漢方(麻黄剤)に入っており、飲んだ本人が気付かずにドーピング違反となってしまう”うっかりドーピング”が問題になっています。

小青竜湯でドーピング?
葛根湯でドーピング?

OTC薬に含まれるプソイドエフェドリンは、主に鎮咳作用を狙って配合されています。個人差が大きい物の、単回投与でも場合によってはドーピング違反となり得るという結果です。個人差が大きいので、アドバイスする立場としてはやはり慎重に話を進めなければいけませんね。


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